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後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋③(篠原悠希)の感想/ブログ

後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋③(篠原悠希)の感想/ブログ

こんにちは、ゆーです。

今回は、後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋(篠原悠希)の概要と感想をご紹介します。

 

 

本の概要

タイトル後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋
著者篠原悠希
発売日2017年11月25日

 

 

あらすじと物語の紹介

病弱すぎる少年・遊圭(女装)が、後宮から不条理なこの国を大きく変える!


大陸の強国、金椛国(きんかこく)。
後宮内の陰謀を暴いた遊圭(ゆうけい)の評判は、宮城内に広まった。
しかも皇帝・陽元(ようげん)からは褒美として妃嬪に加えるとの内示が!
しかし女装で女官として勤める遊圭には不可能だし、後宮脱出未遂の無理がたたって療養中だしで絶体絶命。
そんな中、彼が過ごす養生院で火災が起こる。一体、誰が……。
そして陽元と謁見した遊圭は、売り言葉に買い言葉で、とんでもない約束をしてしまい!?
中華ファンタジー、後宮編完結!

 

『後宮に日輪は蝕す』は、金椛国で生き抜く少年を描く中華風ファンタジー『金椛国春秋』シリーズの第三巻。

後宮編が今作で完結します。

 

読書記録

  • 読了日:2025年10月20日(月)
  • シリーズもの、それもいい場所で終わった物語ってすぐ読み終わってしまいますよね。

 

感想

後宮編、堂々完結!

やや駆け足で進んでいるなあ、と感じる急展開もありましたが、総じて綺麗に後宮を立ち去るハッピーエンドになったのではないでしょうか。遊圭、良かったね…!

 

序盤、遊圭が前回の脱走劇に端を期した体調不良で療養するシーンが思いの外長いな、という印象も受けましたが、「そう言えばこの主人公は想像以上に病弱なんだった…」というのを思い出させてくれましたね。。

第二巻で弾劾裁判といった大立ち回りををしていたので、うっかり忘れそうになってしまいますが、とはいえここまで病弱だったのか…と改めて思い知らされるシーンでもありました。

むしろこんな調子なのによくここまでぶっ倒れなかった。

 

さてそこから皇帝への謁見を経て、物語は急展開。

”女性の中から医生合格者を出せば外戚族滅法を撤廃する”という大きな賭けに出ることになります。

一件理屈の合わないちょっと強引な賭けにも見えますが、ここまでの展開で皇帝・陽元が外戚族滅法について思い悩むシーンも差し込まれていたので、どちらかというとうまく展開と時節が噛み合ったのかな、という印象。

陽元もうっすら遊圭の正体にも気がついているようですし、希望の光が差し込んできましたね!

 

ただそこから、女性が予備校に通うシーンではなかなかモヤモヤする展開も。

結果的に遊圭の賭けが、金椛国の在り方を見直すきっかけになる、というのも綺麗で良いなあと思います。

 

途中皇太后とその残党による罠に嵌るも、優秀な獣・天狗によって事なきを得。

無事勝利を勝ち取った遊圭が、諸々の口裏合わせと帳尻合わせのために皇帝・玄月と結託して動いた白羽冠のシーンでは、本人たちは綱渡りの賭けかとは思いますが、読んでいる身としてはようやくこの3人が真の意味で結託して動いた初めてのシーンなので、ちょっとニヤニヤしながら読み進めてしまいました。笑

 

物語はまだまだ続きます。

後宮編はここで完結。この後の遊圭の人生を追う形で物語も進んでいくのかなと思います。

この先も楽しみですね!

 

印象に残ったポイント

金椛国における女性について

金椛国での女性の扱われ方は、何も珍しいものではなく。

むしろ今のように男女平等、社会進出、男女共同参画社会!と言われるようになったのはほんの数十年前、定着して前に動き出してからは数年程度しか経っていないものです。

なんなら今もどこまで出来ているか、という途上の段階なのだと思います。

 

幸い私はいわゆる”今の”世の中になってから社会に出た身なので、さほどその点に関する不平等や不合理も感じずには済んでいますが、今ここに至るまでには先人たちの様々な、それこそこの物語のような出来事があったのかもしれないな…と思いを馳せます。

 

新しいことをすればきっと良いことも悪いこともあって。

女性がこうやって当たり前に社会に出た結果、逆に以前はこうだったのに…みたいなことも少なからずあるとは思っていて。

それこそ、「働きたい女性が働く」なら良いんですが、「絶対に男女問わず働かないと生きていけない」となるとそれはそれで違うと思いますしね…。

 

ただまあ、そういう話題がさらりと気がつけば差し込まれていたので、色々と思いを馳せるきっかけになったなあ、と思います。

 

物語のこれからの展開も楽しみにしつつ、読み進めていきたいと思います☺️

 

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